【離婚の仕方】手続きがスムーズにいかない3つの理由と対処法
公開日:
: 最終更新日:2018/06/25:
【弁護士と探偵の活用方法】離婚前に知っておきたい知識・準備編~

離婚は自分の意思だけでなく相手も同意しなければ基本的には成立しません。夫婦の関係をやりなおす気持ちがない場合は、少しでもスムーズに離婚の手続きを進めたいものです。しかし、夫が離婚届を放置したり、離婚調停に出廷しないケースも多くあります。そうなると様々な手続きは当然思うようには進みません。
ここでは、離婚する方法や流れを踏まえた上で、スムーズに賢く離婚するため注意したい事を詳しくお伝えしていきます。
もくじ
1.離婚手続きが進まないケースは、別居・無視・行方不明などが理由
2.【離婚届を提出】夫と連絡がとれない場合の方法とは
3.離婚時の財産分与は、失踪中など夫が音信不通の状態でも可能
4.【離婚後の養育費】夫の住民票が確認できれば請求できる
5.離婚した後にすべき変更手続き&申請について
6.まとめ
離婚手続きが進まないケースは、別居・無視・行方不明などが理由
早く離婚したくても、思うように手続きを進める事ができない場合もあります。離婚手続きがスムーズにいかないケースを見てみましょう。
長年、別居している
【事例1】
夫の浮気が発覚したことがきっかけで7年前から別居。別居直後から夫は浮気相手のマンションで現在も同居している。夫と浮気相手の間には子供も生まれ円満らしい。夫から離婚の打診はないが、いい加減けじめをつけたい。別居期間も長く別居先は遠方なので、何からすべきかわからない。
妻が遠方にある実家に戻っていたり、夫が浮気相手と生活を共にしているなど夫婦がすでに別居していると、離婚関係の手続きがスムーズに進まなくなることがあります。離婚したいと思っている妻からすると電話やメールで何度も夫に催促するのも気が引けますし、直接的な連絡はできれば避けたいのが本音です。
別居生活がすでに5年以上の場合は、訴訟をすることで離婚できる可能性が高くなります。その理由は、離婚できる条件として「婚姻を継続しがたい重大な事由」が民法で定められているからです。婚姻を継続しがたい重大な事由は性格の不一致・暴力・過度な宗教活動・借金などが該当します。これらは結婚生活を継続することが困難であると判断されます。
婚姻生活を継続しがたい重大な事由には、長期間の別居生活も含まれています。長期間の別居とは約5年間だと言われています。そのため、別居生活が5年を超えている場合は、夫から応答がなくても離婚の手続きを進めることは可能だと言えます。
行方がわからず音信不通
【事例2】
特別な理由はなかったものの結婚1年半が過ぎた辺りから、夫とは冷え切った関係だった。いつものようにパートを終えて帰宅すると夫の姿が消えていて、その後も連絡がないまま4年が過ぎた。夫の実家や友人宅へも念のため連絡してみたが、夫の連絡先を知る者はおらず生きているのかさえ不明。
今の生活は精神的な苦痛はないが、自分の年齢を考えると子供も欲しいので離婚して本格的に再婚を考えたい。
何も言わずに夫が家を出てそのまま連絡がない場合も、離婚の手続きを進めることができずに悩みます。音信不通には下記のような2つのパターンがあります。
失踪によって3年以上、行方が分からないまま連絡が取れない場合は、離婚することが可能です。失踪した日から3年以上、メールも電話もなく生きているかどうかもわからない生死不明の状態で、警察に捜索願などを提出しているかで判断されます。
悪意の放棄とは夫婦が互いに協力する義務を果たしていないことを言います。これには、生活費を渡さないことのほか、理由のない別居も該当します。生死不明による音信不通とは違い、実家などには連絡があり生存はしているものの、別居先はわからないために連絡がとれず、音信不通になっているケースも離婚できます。
無視される
【事例3】
事業に失敗した夫が浮気に走った事が発覚し、5歳と3歳の子供を連れて離婚することを決意。親権や養育費など離婚の条件と共に離婚届を夫に手渡したものの、完全に無視されたままの状態が1年以上。このまま放置されていては子供の入学入園にも影響するので早く離婚したい。
夫が離婚届を放置していて手続きが進まないケースは珍しくありません。離婚の方法として最も多いのは協議離婚ですが、夫が離婚届にサインせず協議離婚ができない場合は、弁護士などの第三者を挟んで離婚交渉すれば、離婚できる可能性があります。
また、無視していた夫が「条件次第では離婚届にサインしてもよい」と言い出した場合は、財産分与や慰謝料に関する条件を緩和するなど金銭面で妥協して、離婚を長引かせない方法もあります。離婚条件の交渉や証拠の提示については、専門的な知識が必要になりますので、弁護士に相談するとスムーズです。
【離婚届を提出】夫と連絡がとれない場合の方法とは
別居中などで夫と連絡が取りにくく離婚交渉や調停・裁判が難しいときは、まず離婚届をインターネットでダウンロードしましょう。離婚届の書式は全国共通です。電話や郵便などで離婚に関する交渉を行い、夫の同意が得られたら離婚届と戸籍謄本を郵送してもらいます。なお、離婚前ならば妻が戸籍謄本を取得することも可能です。取り寄せた離婚届を提出するには2つの方法があります。
- 新住所に住民票を移して離婚
- 現住所の住民票のまま離婚届を提出
自分の住民票を新住所に移し、その役所に提出または郵便などで送る方法と、これまでの住民票のままで手続きをするパターンがあります。前者の場合、現在の住居から近い役所に届けが出せるので提出はスムーズですが、後者の場合には訂正などがあった時には、元の住所を管轄する役所まで直接出向かなければなりません。
ただし、前者のように住民票を移してしまうと、新住所を相手に知られることになります。そのため、夫に新住所の情報を隠したまま離婚したい人には不向きな方法です。
夫と連絡がとれない場合
行方不明などで夫と音信不通の場合、まずは住民票を取り寄せて夫が転居していないかを確認します。住民票がそのままで知人や夫の親族に確認しても消息が分からないときには、離婚訴訟に移行します。住所や勤務先がわからない場合には、裁判所の掲示板に呼び出し状を貼ることで相手に通達したとみなす公示送達の手続きがあります。
夫は音信不通なので当然、裁判所にも出頭してくることはありません。そのため、離婚条件が整っていれば妻側の言い分を聞いただけで離婚が認められます。その後、裁判所の判決文を役所に提出すれば離婚成立となります。
離婚時の財産分与は、失踪中など夫が音信不通の状態であっても可能
財産分与とは、婚姻期間で蓄えた財産を離婚する際に夫婦で分けることです。財産分与はお互い納得できればOKなので公的な決まりはありませんが、別居や生死不明など夫と音信不通であっても離婚が認められれば財産分与できます。財産分与の対象になるのは下記のようなものです。
結婚していた期間の貯金、購入した家や土地、家具や車などの他、株や手形などの有価証券も財産分与の対象です。これらは婚姻期間中に購入したのであれば、名義は夫婦どちらであっても関係ありません。
財産分与の割合は財産形成の貢献度によって違っていて、家業を手伝ってきた主婦や共働きの妻は50%、専業主婦では30~50%という過去の判例があります。しかし、最近では大差がなくなってきていて、夫婦共有の財産については通常2分の1ずつ分けます。
なお、結婚前の預貯金については財産分与の対象外です。たとえば、結婚前に500万円あった預金が700万円に増えた状態で離婚するときは、差額の200万円を夫婦で分割するということになります。
子供の預貯金について
子供の預貯金に関しては注意すべきことがあります。それは、お金の出所です。夫婦のどちらかが子供名義で預入をしていた場合、名義は子供でも親が出したお金なので、財産分与の対象になります。当然、預金をするために貢献した割合に応じて分けることになりますが、通常は夫婦のどちらか一方が自分の収入から預金をしているケースが多いので貯金した側が取得します。
もう1つの注意するケースは、子供の祖父母にあたる夫婦の両親が孫に小遣いとしてくれたお金を子供名義の口座に貯金していた場合です。自分の親が子供にくれたお金だった場合、心情的にこのお金も財産分与すべきだと思いがちですが違います。祖父母からの小遣いはあくまでも子供のお金なので財産分与の対象外です。
【離婚後の養育費】夫の住民票が確認できれば請求できる
親権とは子供の養育と財産を管理する権利義務です。親権は下記の内容で成り立っています。
財産管理権
親権に含まれる財産管理権とは、子供が所有する財産を管理する権利義務です。例えば子供名義の預貯金の管理などが主な内容ですが、子供が事故などに遭い損害賠償を請求するときにも代理人として請求できます。
また、子供が不動産などを譲り受けた場合の管理や、子供が高額商品の売買契約などをしたときも、親権者として取り消すことが可能です。
身上監護権
親権にはほかにも、子供と一緒に生活して身の回りの世話や躾など、成人するまで子供を育てていく身上監護権もあります。
養育費を請求できるのは親権者になった側だけですが、財産管理権と監護権はそれぞれ異なる親が持つケースもあります。しかし、養育費の請求ができるのは子供と暮らす身上監護権を持つ親側のみです。養育費とは、子供を育てていく為に必要な全ての費用のこと。食費・医療費・教育費のほか衣服やレジャー費なども含まれます。
そのため、養育費を請求できるのは実際に子供の世話をしていく身上監護権を持つ側のみが認められているのです。ちなみに、夫と連絡がとれない場合は妻が親権者になります。この場合は当然、財産管理権と監護権の両方を妻が得ることになります。養育費については音信不通となっている夫の住民票が確認できれば、請求手続きは可能となります。
離婚した後にすべき変更手続き&申請について
離婚が成立した後もすべき手続きは色々あります。どのような手続きが待っているのか具体例を挙げて説明します。
離婚によってこれまで住んでいた家を離れる場合、引っ越し先が市内なら転居届を、市外ならば転入届を役所に提出して住民票を移動します。また、マイナンバーカードや運転免許証などの書き換えなど身分証の書き換えも必要です。子連れ離婚する場合は所得制限はありますが、児童扶養手当や医療費助成などの受給手続きも可能です。
ほかにも、通帳やマイカーの名義変更や、引き続き自宅に済む場合は電気やガスなどの契約情報の変更も忘れずに行いましょう。
子供に関する変更手続き
子供の姓や住所が変わる場合には、学校へ連絡をして必要書類を提出します。さらに、母子家庭になる時は前述した手当が支給されるだけでなく、子供が小中学生の場合は条件によっては学用品や給食費などを支給される就学援助が受けられるようになります。
住居に関する変更手続き
共有名義だった家が財産分与で妻だけの家になった場合は、名義変更の登記をするため夫の協力が必要になります。二度手間にならないよう離婚する際には早めに書類を用意してもらうとよいでしょう。尚、もともと妻名義で旧姓に戻す場合は姓の変更手続きをするだけです。
まとめ
夫と連絡をとることが容易でなくても離婚を諦めてはいけません。忙しくて時間がとれなかったり、離婚に関する知識不足で不安な場合は、離婚問題に詳しい弁護士に相談しましょう。専門的な知識を得る事で賢くスムーズに離婚できる上、面倒な各種手続きや交渉も代理人として代行してもらえます。
次の記事では離婚の慰謝料請求を行う際、弁護士に相談するメリットや費用などについて詳しく紹介していますので、ぜひご一読ください。












