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「元気シニアへのビジネス提案の新視点シリーズ」は日本元気シニア総研 顧問の富田眞司がシニアで起きているさまざまな現象や調査データを取り上げ分析し、そのことに対してシニアビジネス提案ができないか、その可能性を提案するものです。73歳のリアルシニア目線と、マーケティングプランナー目線から新視点の提案を行うものです。

第2回 高齢化社会という未体験社会に入る ―輝く時代と命名したい。―

日本の65歳以上の人口が25%に達したこと、寿命が男性80歳、女性87歳に達したことなど、世界に先駆け超高齢化社会に突入した日本、これからどう対応すべきでしょうか。年金、医療、介護などの社会保障制度も厳しい状況にあります。そんな現状を打開するためには、これまでと違った、全く新しい考え方が求められます。

未体験時代と位置づけ、「輝く時代」と呼びたい

今迎えている高齢者の時代は、これまで体験したことがない時代、つまり、手本がない「未体験時代」と言えます。その時代は、どのように生きてもかまわないのですが、せっかくの自分たちが得た貴重は時代です。

そこで、超高齢化時代を迎え、筆者は人生を3つに分けて考えることを提唱しています。それが、「学ぶ時代」「働く時代」そして、「輝く時代」という3つの分け方です。

昔は「学ぶ時代」20年、「働く時代」35年、そして、定年後は「余生・老後」とよばれ、わずか10年でした。その時代、定年後は「余生・老後」といわれるように、余分の人生という発想でした。年金支給時期も平均約10年となり、年金の制度設計も、10年での採算といわれています。

それが、今や定年後は20年以上あります。60歳で定年を迎えると、男性の場合、寿命が80歳なので定年後20年、女性なら寿命が87歳なので、定年後27年もあります。そんなにもある時代は、余生でも、老後でもありません。まさに、「ひとつの時代」と考えるべきでしょう。

そこで、筆者は「学ぶ時代」(20年)「働く時代」(40年)、そして、「輝く時代」(20年以上)という分け方を提唱しています。

そして、「もっと元気に、もっと楽しく、もっと生きがいをもって、生きていくこと」が重要であると考え、一般社団法人日本元気シニア総研を立ち上げました。

「何をすれば輝くのか」の提案が重要になる

このシニアの新時代を「輝く時代」にすると、口先で言うだけでは、輝きません。シニアが輝くためにどうすればよいかの提案が重要になります。筆者は「第2の人生を最高に輝かせる生き方」という授業を早稲田大学のエクステンションカレッジで行い、「第2の人生を輝かせるための提案」を行いました。

輝き方にはいろいろな方法が考えられますが、究極は「生きがいをもって生きること」が重要であると考えています。生きがいとは、「強くて長い目標」と考えています。

例えば、次の5つが考えられます。

1. 生涯現役で活躍する
「生涯現役」という言葉があります。生涯仕事を通して活躍することです。

2. 趣味など好きなことを極める
趣味の道を究めることです。

3. 生涯学習として学ぶ
「生涯学習」として、好きな学問を学び続けることです。

4. 若者や家族(孫)を育てる
孫や若者を育てることです。地域の発展や家族の成長を助けるものです。

5. 社会貢献で役立つ
町内会役員、マンション理事、民生委員、世話役など社会貢献することです。

このような活動を通して、輝く第2の人生をおくることができれば、健康年齢が伸び、日本はシニアから活性化することができると信じています。

★ビジネスへの活用提案

シニアを「輝く時代」位置づけることで、大きなビジネスビジネスチャンスがあります。新しい市場を創造することが重要になります。

(1)元気シニアが活躍できる場を提供するビジネス
働く場の提供、学ぶ場の提供、社会貢献できる場の提供です。

(2)元気シニアに情報提供するビジネス
リタイアするとなかなか情報が届かなくなります。インターネットやコミュニティペーパーなどを通して情報提供を行うビジネスです。

(3)元気シニアに「輝く生き方」を啓蒙するビジネス
どう生きてよいか悩んでいる元気シニアに「輝く生き方」提案し理解いただき、自ら進んで実践いただくよう啓蒙するビジネスです。

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(日本元気シニア総研 顧問 富田眞司)