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「元気シニアへのビジネス提案の新視点シリーズ」は、日本元気シニア総研 顧問 富田眞司が、シニアで起きているさまざまな現象や調査データを取り上げ分析し、そのことに対してシニアビジネス提案ができないか、その可能性を提案するものです。73歳のリアルシニア目線と、マーケティングプランナー目線から新視点の提案を行うものです。

第1回 元気シニア夫婦の「男心」と「女心」の違いを狙う

定年後の夫婦の思いは決して同じではありません。よく話に出るのが、「定年になったら奥さんと一緒に領したいと思う亭主とは裏腹に奥さんは亭主ではなく友達と一緒に旅行したいと考えている」ということです。そこで、定年後の夫婦の思いの違いを5項目にわたってまとめてみました。

人間関係での違いは、定年後の男性はなかなか初対面の人と仲良くなれないことです。それは、共通話題が見出せないことにあります。また、ビジネス経験が長い男性は自分と
相手とつい「どちらが上」(勤務先や役職など)か、比較してしまいます。

これに比べて、女性は水平な立場でお話しできること、また、話題も「食、健康・美容、趣味、タレントの個人情報」など、女性同士の共通話題が多いこともあります。

知的関心事では、今、話題の「自分史」と「エンデディング・ノート」にも男女差が出ています。今、女性は「エンデディング・ノート」に興味を持つ人が多く、男性は「自分史」に興味を持つ人が多いということです。男性はリタイアして、やることがなくなると元気で活躍していた昔を思い出す人が多く、自分史に興味をもちますが、今が比較的幸せな女性は、先のことへの関心も高く、エンデキングノートへの関心も高くなっています。女性雑誌の付録としてもよく利用されています。

★ビジネスへの活用提案

(1)接客対応での提案
シニアの男性と女性では「お客様に喜ばれる接客のポイント」が違います。男性は上下関係にこだわるため、社長、会長、顧問などを呼ばれるとうれしくなります。よく街頭で客引きから社長と声をかけられると「私が社長に見えるのか?」とついうれしくなります。男性シニアへの接客は上手におだてること、ほめることです。

一方、女性は、テレビやタレントの事件、食事などの話題が大好きです。さしずめ、朝の連ドラのヒロインの話題を取り上げると共感をもたれます。

(2)集客作戦
女性は無料でプレゼントされることが大好きです。たった100円程度のものですが、その目的だけにお店に平気で行きます。すごい心意気ですね。

一方、男性はプレゼントが欲しくても、それだけではお店に行きません。100円程度の景品をもらうだけでは申し訳ないと思っているからです。何か別の目的が必要です。他に何か1点でも買うものがあれば、景品をもらいに行きます。男性は参加動機が重要です。

(3)セミナー企画作戦
シニア向けのセミナー企画も男性と女性では、内容を変える必要があります。女性向けは、「食」「美容」「健康」「話題」などで集客できます。あるカルチャースクールで「お散歩ランチ」が満員で大人気です。お散歩して楽しいランチを楽しむ企画です。知らない人でも散歩や食事で仲良くなれるというもの。魅力は素敵なレストランを講師が探してくれるということだそうです。カルチャースクールに月謝を払い、さらにランチの費用も払うというもの。

男性は、自分史講座や、投資講座、仕事に関する講座、生き方講座のような知的なものに人気があります。筆者は早稲田大学エクステンションカレッジで「第2の人生を最高に輝かせる生き方」講座の講師をしましたが、ほとんど男性でした。

ビジネスの場面では、いろいろな活用方法がありそうですね。

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(日本元気シニア総研 顧問 富田眞司)