「お金にゆとりがあり、趣味やグルメなどを楽しむ」シニアがいる。
筆者はこのシニアを「エンジョイライフシニア」と名付けその特徴、消費性向の分析と攻略法を提案する。
シニアの総人口の1割弱程度で女性が多く占めると筆者は推定する。

1.特徴―生活に余裕があり、各種趣味や仲間との食事を楽しむ
特徴は各種趣味や仲間との食事を楽しんでおり、年金収入や保有資産が多く、豊な生活を送っている。
健康は比較的良好で趣味や仲間とのコミュニケーションは頭脳を使うため認知症予防にも繋がる。
一方で運動量が少ないため、体力の衰えへの心配もある。

2.消費性向―趣味や仲間とのコミュニケーションに関する出費が多い
消費性向は趣味や仲間とのコミュニケーションに関する出費が多い。
趣味は料理、音楽、観劇、写真、絵画、書道、俳句、短歌など幅広く、各種カルチャースクールや百貨店などが主催する教室に参加して学ぶため授業料関連支出が多い。
また、趣味仲間との打合せなどで一緒に和食、フレンチ、イタリアンなどグルメを楽しむ飲食関連費用や外出機会が増えることに伴うファッション関連出費も多い。
趣味やグルメ情報は教室や百貨店などから送られる会員雑誌やネットの活用の他、専門雑誌を購入する。
さらに、趣味の発表の場への参加や、能力の向上のための資格取得、講師や仲間とのコミュニケーションづくりでスマホやSNSの活用などへの幅広い出費がある。

3.攻略法―
①「お洒落でセンスのある消費を狙う」
②「作品発表の場を提供する」
③「仲間とのコミュニケーションづくりの場を活用する」
④「美容・健康関連需要を狙う」
攻略法は①「お洒落でセンスのある消費を狙う」②「作品発表の場を提供する」③「仲間とのコミュニケーションづくりの場を活用する」④「美容・健康関連需要を狙う」の4つだ。
1つ目は「お洒落でセンスある消費を狙う」方法はこの対象は生活が豊かで家計の財布を握る女性が多いため、シニアの中で最も消費が期待できる。
いつまでも「美しくありたい」気持ちをテーマに高品質でお洒落感がある商品を提供することで需要獲得が可能になる。

2つ目は「作品発表の場を提供する」方法は自分たちが創った作品をもっと多くの皆さんに知って欲しいニーズに対応するもので、
参加団体が行う発表会とは別に個人でも発表できる場を用意するビジネスが期待できる。}
例えば、自分の作品を本にする自費出版、ネットでの発表、イベント会場での展示会や、身近な場所でも発表の場が提供できればビジネスに繋がる。
特に絵画、写真、書道などの作品は小さなスペースがあれば展示が可能になる。
喫茶店やレストランなどの壁面を活用する展示発表もできる。
作品発表の場があれば制作者の仲間や一般の人たちにも見学場所が提供でき、展示場所提供側にも発表側の双方にメリットがある。

3つ目は「仲間とのコミュニケーションづくりの場を活用する」方法は、お稽古事仲間や先生とのコミュニケーションの場を提供するビジネスが期待できる。
また、親しい仲間とのプレゼント消費も期待できる。

4つ目は「美容・健康関連需要を狙う」方法はこの対象の運動量が比較的少ないため、体力の衰えや高齢に伴う美容の衰えへの心配がり、その市場を狙うものだ。
体力の低下や美容衰えを補う各種の健康食品・サプリメント市場や、フラダンス、ヨガ、アスレ、エステなど女性でも気軽に参加できるスポーツクラブに参加させる
需要が期待できる。
生活が豊かで消費意欲が高いこの層は高齢になっても継続購入を推進し、生涯顧客化することで、より大きなビジネスに繋がる。


(日本元気シニア総研 顧問 富田眞司)