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「元気シニアへのビジネス提案の新視点シリーズ」は日本元気シニア総研 顧問の富田眞司がシニアで起きているさまざまな現象や調査データを取り上げ分析し、そのことに対してシニアビジネス提案ができないか、その可能性を提案するものです。73歳のリアルシニア目線と、マーケティングプランナー目線から新視点の提案を行うものです。

第4回 世代別シニア分析 1.「プレシニア市場」

1. 超高齢化が進む日本、未体験時代だからビジネスチャンスが大きい

昔はリタイアすると、「老後」、「余生」といわれていまました。それは、リタイア後の年月が少なく10年位で死亡される方が多いからです。

では、寿命が伸びた今、リタイア後はどのくらいの歳月があるのでしょうか。例えば、60歳で企業をリタイアすると、寿命の80歳まで男性なら20年、余命では、もう少し長くなります。20年もの時間があります。もはや、「余生」でも「老後」でもありません。

「学ぶ時代」(20年)、「働く時代」(40年)、「輝く時代」(20年)と人生を3分化する

10年もあれば、1つの時代と捉えることができます。そこで、筆者は人生を「学ぶ時代」(20年)、「働く時代」(40年)、「輝く時代」(20年)と分け、人生最後の時代を「輝く第2の時代」と、とらえることを提言しています。

人生が輝くことで、シニアを元気になると同時に、シニアを対象とした新たなビジネスチャンスを需要創造することができると考えています。

筆者が提唱している、シニア「5つの世代別分析」には、下記の5つがあります。

(1)プレシニア層(55~66歳前後、リタイア前)
亭主の収入が多く、購買力がある。定年後の準備時期でもある。一方、主婦は「亭主、元気で留守がよい!」。亭主の稼ぎも多く、消費性向も高い。

(2)団塊シニア層(リタイア後~67歳前後)
これまでと違う、消費力をもったシニアの誕生。Webが使える。年金受給でリストラの心配もない。夫婦仲もよい。「美田を残さず」と考える人も多い。

(3)戦中シニア層(68~76歳位)
多様なライフスタイルをもっている。大きな資産格差がある。比較的元気である。夫婦間に部妙な距離間。

(4)戦前シニア層(77~85歳位)
倹約、節約志向高い。楽しみ減少。体力の衰え、医療費急拡大。亭主関白。

(5)末期シニア層(86歳位以上)
男性の寿命(80歳)、女性が長生き(86歳)。老(女)老(女)介護が増える。

その最初にあたるのが、プレシニア層です。

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2. 今、狙うは、潜在重要が大きく、需要創造が可能な「プレシニア市場」

5つの世代分析で最も重要な時代が、「プレシニア時代」です。その理由は働いているため、しっかりとした収入があるので、購買力が高いためです。生活意欲も高く、この市場から捉えることができれば、シニア市場の入り口を確保することができます。さらに、しっかりと顧客フォローができれば、生涯顧客としてのビジネスチャンスがあります。

とはいうものの、この世代の人たちがリタイア後を意識していないと、シニア需要の確保が難しくなります。さらに、仕事をしているため、この市場へは戦略的なアプローチが必要になります。

3. プレシニア市場で「期待できるビジネスチャンス」提案

プレシニア市場で、実際に可能なビジネスチャンスとは、どんなものがあるのでしょうか。

(1)シニアビジネスの入り口として、多くのシニアの需要創造できる提案が可能である
これからシニアになる人たちです。元気なシニアなので、介護、お墓、遺産相続などの終末需要ではなく、仕事、旅行、グルメ、カルチャー、資産運用などの多くの需要が期待できます。シニアライフを楽しむあらゆる「商品、サービス」のビジネスチャンスがあります。

(2)シニアが楽しく、輝く人生を送るための「生きがい提案」「働き方提案」などができる
といって、シニア向け商品やサービスを羅列するだけでは需要を獲得できません。シニアライフに、その商品やサービスがなぜ必要かという提案を行いシニアが「なるほど!」と納得しないと購買されません。そのためには、需要創造提案が必要になります。

★ビジネスへの活用提案

(1)定年間近の社員にアプローチする
リタイア前のシニアを確保することが課題となります。仕事をしているビジネスマンにどのようにアプローチするかが重要になります。会社が主催する場での説明ができる方法を考えましょう。

(2)リタイア後の人生を楽しくする、元気にするというコンセプトが重要である
プレシニア市場を確保するには、ビジネス対象がリタイア後の生活を知らない人が多いので、リタイア後の生活がどんなものかの理解させるとともに、「リタイア後の人生を楽しくする、元気にする」というコンセプトが重要です。

(3)生涯顧客として育てるとビッグビジネスにつながる
プレシニア市場が確保でき、顧客管理をしっかり行えば、その後の20年間という長い期間
顧客となっていただくことができます。まさに、「大きなビジネスにつながる、大きな卵」なのです。
(日本元気シニア総研 顧問 富田眞司)