シニア市場に参入する際にどんな商品(サービス含む)を提供するか商品戦略が重要になる。
今、健康なシニアが増えていること、加齢が健康に影響することに着目、健康を縦軸に年代を横軸にとり、
ポジショニングマップ上にどんな商品戦略があるか4つのジャンルに分け提案する。
4つとは「1.健康なシニア向け商品」「2.シニア向け商品」「3.要介護者向け商品」「4.終末関連商品」だ。

1.「健康なシニア向け商品」は「アンドシニア消費」と命名
健康なシニア向け商品は若いシニアは健康な人が多く特に前期高齢者(65歳~74歳)で健康な人は半数を超え、健康な後期高齢者(75歳以上)もいる。
健康なシニアは他の世代と同じ消費性向あるものが多い。そこで健康なシニアの消費を「アンドシニア消費」と独自に命名。
例えば、若い女性と健康なシニアの食事は野菜を多く食べるため「若い女性アンドシニア消費」、中年富裕層と裕福なシニアの旅行は裕福な旅行をするため
「富裕層アンドシニア消費」となる。「アンドシニア消費」には健康なシニアの多くの消費が含まれる。
この消費をシニアだけに特化するにはシニアの体質、暮らし方、経済状況などにあった特長を打ち出すことで可能になる。今後も健康なシニアが増えることでさらに拡大する。

2.加齢に伴う不を解消する「シニア向け商品」
シニア向け商品は加齢に伴う不便や不安などの諸症状に対応するもので「不解消目的消費」と言える。
健康なシニアも後期高齢者に近づくと体力や知力が衰えはじめ健康への不安を実感する人が増えることに対応した商品で聞き取りやすいラジオ、はきやすい靴、杖、ポータブル椅子、老眼鏡、マッサージ器、白内障手術、使いやすいケータイやパソコン、加齢臭対策商品、失禁対策商品、健康診断、健康食品・機能性表示食品、住替え・移住、さらに買い物難民向けの通販・宅配なども含まれる。シニア向け商品は技術の向上やIT化などで品質改良や高品質化が進んでいる。

3.増加する「要介護者向け商品」
要介護者向け商品はで80歳ころから体力や知力が衰え、要介護認定者が増えることに対応した商品だ。
「要介護者向け商品」には要介護者向け各種商品や特別擁護老人ホームなどの要介護者向け施設が含まれる。
介護サービス利用者は500万人を突破、今後団塊世代が後期高齢者になる2025年にはさらに増加が予測され、要介護施設や介護する人材の不足が心配される。
国や行政は可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、包括的な支援・サービス提供する地域包括ケアシステムの構築を推進している。

4.「終末関連商品」
終末関連商品は人生の終末準備から葬儀、看取り、お墓、仏壇、遺産相続、遺品整理までが含まれる。
小家族化が進む中で葬儀やお墓はこれまでの伝統的な方法から合理的な方法、自分の希望にあった方法へと変化している。
家族葬、直送などのシンプルな葬儀や樹木葬、合同葬、ビル内納骨堂、ネット墓など、従来のやり方にこだわらず、合理的で納得の行く方法で行う人も増えている。
また、エンディングノートの活用や生前墓、生前葬など事前準備する人もいる。確実に増加する終末市場、業者向けエンディング産業展が開催された。

今年で4年目を迎え、定着化してきた。昨年は個性化やIT活用などが進んだが、今年は会場が明るい雰囲気となりイベントとして定着してきた。
年齢幅が大きく健康状態も違うシニア、ビジネスでは狙うジャンルの明確化と的確な市場獲得戦略が求められる。
なお、第1回目開催時には筆者は講師依頼を受け「スターティングノート」をテーマに講演、同時に、日本元気シニア総研のブース展示も行った。