「収入や資産もあり、活動的なスポーツや旅行などで老後を楽しむ」シニアがいる。
筆者はこの層を「行動派シニア」と名付けその特徴、消費性向の分析と攻略法を提案する。
シニアの総人口の1割弱で男性の比率が高いと筆者は推定。
特徴は健康で保有資産や受給年金も十分あり、活動的な生活を楽しむなど、積極的で活動意欲があり仲間が多い。

1.特徴―スポーツなど積極的に行動、仲間と活動する機会も多い
活動内容はゴルフ、テニス、サッカー、ヨット・ボート、サーフィン、水泳、登山、ジョギング、マラソン、乗馬などのスポーツ関連や、
こだわりのある旅行や野鳥を鑑賞するなどのレジャーを楽しんでおり、仲間と一緒に活動する機会が多く、
そのコミュニケーション手段としてスマホやSNSなどを積極的に活用している。

2.消費性向―乗用車保有、積極的な活動や交流に伴う消費が多い
消費性向は郊外で楽しむ活動が多いため、移動手段に乗用車を保有、
また、活動を楽しむため、ヨット・ボートや別荘、ゴルフや各種リゾート倶楽部などの会員権を保有、
さらに、活動で使用する用具の出費など、活動に伴う諸費用の出費が多い。
仲間との交流も多く、それに関する飲食関連出費もある。
海外旅行ではビジネスクラスやクルーズなどの利用や、自分にあった旅行を楽しむ出費もある。

3.攻略法―
①「体力低下に伴う新しい活動を提案する」
②「保有資産の活用や終末の準備を提案する」
③「保有能力を生かした社会貢献活動を促す」

攻略法は①「体力低下に伴う新しい活動を提案する」、②「保有資産の活用や終末の準備を提案する」、③「保有能力を生かした社会貢献活動を促す」の3つがある。

一つ目「体力低下に伴う新しい活動を提案する」方法は元気なシニアも高齢化で体力が衰え始め、これまで続けてきたハードなスポーツはきつくなる。
回数を減らす方法での解決もあるが、体力低下に見合った体力をあまり使わない新しいスポーツを提案することもできる。
例えば、「スポーツ吹き矢」「グランドゴルフ」「バウンドテニス」などや、近場のジムやスポーツ施設を利用した活動を提案する方法だ。
スポーツ以外では室内でできる「社交ダンス」などの運動、さらに「カルチャー関連」の趣味に変える提案も可能だ。
例えば、旅行や野鳥鑑賞を楽しむシニアには思い出を「絵画」で楽しむ提案、撮影した写真をITソフトで「思い出のアルバムに編集」する提案、
また、保有する知的なセンスを「俳句・短歌・川柳」などに活用する提案も可能だ。

二つ目「保有資産の活用や終末の準備を提案する」方法はこの層は保有資産が多く、資産運用知識や実績をもつ人が多いため、
保有する資産の活用や運用などにも、ビジネスチャンスがある。
また、体力の衰えから人生の終末への関心も出始め世代には「遺産相続」「遺言書の書き方」「お墓や葬儀の準備」などの終末対策の提案も可能だ。

三つ目「保有能力を生かした社会貢献活動を促す」方法はスポーツや旅行などで修得したことを地域や社会に還元する社会貢献活動を提案するものだ。
例えば、サッカーやテニスなどスポーツで活躍したシニアがその実践経験や能力を生かし、地域の子供や若者にスポーツの楽しみ方や技術指導する提案や、
旅行好きなシニアが旅で得た知識やノウハウを地域の観光案内役として生かす社会貢献活動提案もできる。
経験豊なシニアがその経験を生かし地域や社会に貢献する活動を行うことはシニアに生きがいと活力を与えるとともに、
世代間交流や次世代の若者を育てることに繋がり、社会的意義が強い。


(日本元気シニア総研 顧問 富田眞司)