8つのライフスタイル分析の中で今、最も注目されるのが「アクティブシニア」と呼ばれる層だ。
筆者は「元気で仕事や社会貢献などで社会活動を続ける意欲的なシニア」と定義し、その「特徴」「消費性向分析」から「攻略法」を提案する。
シニア総人口の1割程度を占めると筆者は推定。

1.特徴―元気で意欲があり、社会活動を続けている
 特徴は元気で意欲があり、保有する能力・知識・経験などを生かし仕事(顧問・コンサルテイング・アドバイザー、講演・執筆・教育、知恵・労力提供、販売・警備などサービス業務、農業など)や社会貢献活動(NPO・一般社団法人、町内会や行政などへの応援・協力活動など)など、多方面で活躍、幅広い人脈をもち情報収集力にも優れている。
労働人口が減少する中でのアクティブシニアの活躍は社会的意義も大きい。活動に伴う収入も期待でき、年金に頼るシニアにはありがたい。生活レベルは中のやや上クラスが多い。健康なシニアが多く、定年で通勤がなくなり、活動量が減るものの、定年前とあまり変わらない生活をしている。

2.消費性向―消費は定年前と変わらず、交流や情報収集に積極的
 消費性向は健康なため医療費の出費は他のシニアに比べ少なく、消費性向は定年前とあまり変わらない。
支出では経済・社会動向関係や活動分野の情報収集や能力向上を目指し、書籍購入、セミナー、交流会、IT関連への出費が注目される。新聞や雑誌やネット検索など優れた情報や優れた判断能力を生かし、納得できる出費をする。
社会情勢に精通、良識があり、「詐欺の被害」や「切れること」もなく、社会とうまく共存でき、理想的なシニアだ。

3.攻略法―
①「納得のいく説明をする」
②「知的好奇心を刺激する」
③「保有人脈を活用する」
④「アプローチにはITを活用する」

攻略法は①「納得のいく説明をする」、②「知的好奇心を刺激する」、③「保有人脈を活用する」、④「アプローチにはITを活用する」の4つだ。
1つ目は「納得のいく説明をする」。優れた判断力に対し、イメージ広告やタレント起用による説得では動かない。
展示の場、講演会・発表会などで実際に商品に触れていただき、自らが実感し納得していただくことが大切になる。
商品説明では統計や各種データを使うなど的確な説明が必要となる。

2つ目は「知的好奇心を刺激する」。商品企画や販売ではでアドバイザーやモニターなどで起用し、知恵や能力を活用することで知的好奇心をくすぐると同時に参加することで商品に愛着をもたせ、購入促進に繋げる。
こうした活動内容をメルマガや映像で公開すればPR効果も期待できる。

3つ目は「保有人脈を活用する」。攻略というよりビジネスで活用するもの。
定年後も活動を続け多くの人脈を持つ。勤めていた勤務先の「企業関連人脈」(勤務先、仕入先、販売先など)、
得意分野の「専門分野関連人脈」(参加団体・協会関連や交流会・勉強会参加者仲間など)、本人がもつ
「個人人脈」(生活地域の小中学校、高校、大学などの同窓会やご近所、親類などの人脈、趣味・スポーツ・社会貢献活動関連仲間など)の3つが活用できる。
この貴重な人脈をPRや営業活動など目的に合わせて活用する。

4つ目は「アプローチにはITを活用する」。情報収集や情報交換にITを多面的に活用していることを広告やPRに利用する。
ホームページやメルマガでの情報発信、SNSやクラウドなどを活用することでアプローチが可能になる。
この層はシニアで最も活用が期待できる層だがまだ少ない。一方で社会活動したくても情報不足や機会がない潜在的なシニアもいる。
この対象を増やすことは健康寿命を延ばすことや労働力活用にも繋がるため、大きなビジネスチャンスがある。
(日本元気シニア総研 顧問 富田眞司)