生き方が多様なシニア向けビジネスは対象を細分化しないと成功しない。
今回はライフスタイル分析からシニアビジネスの可能性を提案する。
そこでシニアが大切にしている「健康」と「お金」(ソニー生命保険、シニアの生活意識調査2015年参照)の2つをベースにポジショニングマップを作成。
横軸に「健康」、横軸に「お金」を取り、シニアのライフスタイル8つを筆者が独自に想定しマップに配置し、それぞれの特徴にあった呼称をつけ、特徴分析を行いシニアビジネスの可能性を探った。

1.プレミアムシニア:資産豊富だが健康に心配な面も。
1つ目は「プレミアムシニア」で1億円以上の資産を保有する。
資産は多いが運動不足もあり、健康状態は普通からやや悪い。
資産運用や活用などへの関心が高く、株、外貨、賃貸住宅、別荘、会員権などの多くの資産を保有する。
経済記事を読み、取引先金融機関から金融情報の提供を受けている。

2.行動派シニア:保有資産もありゴルフなど活動的。
2つ目は「行動派シニア」で保有資産もあり元気で活動的だ。
ゴルフ会員権、自動車などを保有、海外旅行も出かける。
クルーズ旅行やゴルフなど愛好、消費性向が高く男性が多い。
高品質商品やサービス需要などが期待できる。
参加組織からの会員誌、専門雑誌、一般紙、スマホなどを活用し、情報を収集している。

3.エンジョイライフシニア:趣味、グルメを楽しむ。
3つ目は「エンジョイライフシニア」で保有資産が多く、手芸、お茶、花、観劇などの趣味、旅行、仲間とのグルメなどを楽しむ女性が多い。
専門店や高級百貨店での買い物、有名ホテル利用など消費性向が高く、高品質商品やサービス消費が期待できる。
参加組織からの会員誌、専門雑誌、一般紙、広報誌、スマホなどを活用し、情報を収集している。

4.孤立在宅シニア:社会から孤立し健康が気になる。
4つ目は「孤立在宅シニア」で定年後、自宅に閉じこもり、人との接触や会話も少ない。
保有資産はあるものの外出しないため、運動不足になり健康が気がかりだ。
テレビや新聞、広報誌などを読むものの、孤立しているため情報難民になる可能性が高い。

5.アクティブシニア:仕事や社会貢献などで活躍する。
5つ目は「アクティブシニア」でリタイア後も仕事や社会貢献活動などで活躍する生涯現役シニアで収入も期待できる。
専門能力を保有し広い人脈をもち精力的に活動している。
旅行、趣味、スポーツなどにも出費、パーティや勉強会にも積極的に参加、仕事や社会貢献活動も行う。
パソコンやスマホを活用、雑誌、新聞など多面的に情報を収集している。

6.リーズナブルシニア:お金が心配だが健康で活動的。
6つ目は「リーズナブルシニア」で保有資産や受給年金額が少ないものの、健康で活動的な生活を送っている。
出費を減らすため、散歩や格安参加できる趣味や旅行、公共団体主催のイベントに参加するなど元気な生活をおくる。
プレゼント、割引、クーポンなどの購入しやすい料金など価格メリットへの関心が高く、一般紙や広報誌などから情報を収集している。

7.ぎりぎり生活シニア:資産も受給年金も少なく生活が厳しい。
7つ目は「ぎりぎり生活シニア」で保有資産や年金受給も少ないため、厳しい生活を余儀なくされている。
在宅が多く引きこもりがちで健康への心配もある。生活が厳しいため、社会保障対策が必要となる。テレビや広報誌から情報を得ている。

8.要介護シニア:介護保険で要介護生活。
8つ目が「要介護シニア」で介護保険を利用し、在宅介護や介護施設を利用している。
今後も増加し続けるため、社会保障など介護体制の充実が求められる。情報は家族や看護関係者などから得ることが多い。

※このライフスタイル分析と提案はあくまで筆者の想定によるものなので、ビジネスを展開する際には裏付け調査などによる検証が必要となる。